大判例

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東京高等裁判所 昭和35年(ツ)116号 判決

小林六郎がいつ成年に達したかは、原判決の認定した事実によれば明確ではないが、大正の終か昭和の初頃までには成年に達していたことは推認できる。上告人両名はそれと共に被控訴人に対する本件の土地及び建物の委託契約は当然終了したと主張するが、委任者の親権者が委託契約をなした場合には、委任者が死亡した場合とは異つて、親権を失つたからといつて当然には委任契約は消滅しないと解するを相当とする。なんとなれば、委任者の親権者が委任した場合には、委任者は本人で代理人である親権者ではないから、親権者が死亡しても委任者本人にはなんの変りがないのであるし、成年者に達した委任者本人が受任者を信任できないと判断した場合には、民法第六五一条によつていつでも委任契約を解除し得るのであるから、右のように解しても未成年者本人には不利益を与えないものと解する。

(村松 伊藤 杉山)

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